
今回は、日商簿記の資格を生かして税理士試験のアドバンテージを得る方法を紹介します。税理士試験を受験するに当たって、日商簿記を勉強している人は有利にスタートできます。本記事では、日商簿記の知識が税理士試験にどのように役立つのか詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
税理士試験とは
まずは、税理士試験の概要や特徴を見ていきましょう。
試験日程
一般的に、税理士試験を受講する際は、試験科目11科目から5科目を選択して受験します。税理士試験を合格するためには、簿記論・財務諸表論が会計科目の必須科目となります。また、法人税法と所得税法のいずれか1科目以上を含む、税法2科目の合計5科目に合格することも条件です。
科目をまとめて受験する必要があるのか
税理士試験にはさまざまな科目がありますが、すべてを同じ日に受験する必要はありません。具体的には、科目を選べる科目選択性と、科目ごとに受講できる科目合格性があります。そのため、年に1科目ずつ受験することも可能です。1度合格した科目は一生涯有効なので、何度も受講する必要はありません。
税理士試験の受講資格
税理士試験は、現在は誰でも受講できるようになりました。また、税法科目の学識による受講資格が拡充され、法律学又は経済学から社会科学に変更されています。税法科目では、資格による受講資格として日商簿記検定1級合格者・全経簿記検定上級合格者が挙げられます。
日商簿記学習者は税理士試験に有利
日商簿記学習者は、税理士試験に有効とされています。以下に、その理由を詳しく紹介します。
日商簿記学習者が税理士試験に有効な理由
日商簿記3級取得者は30パーセント、2級であれば学習範囲の60パーセント、1級であれば90パーセントが学習済みとなります。これが、日商簿記学習者が税理士試験に有効と言われている理由です。日商簿記と税理士簿記論では学習範囲が重複する範囲が多く、とくに1級であれば大半の部分で重複されている部分が多いです。
科目合格制でチャレンジしやすい
税理士試験は、科目合格性なのでチャレンジしやすいです。1度合格してしまえば、生涯に渡り合格科目が有効とされるため、何年もかけて資格取得を目指せるでしょう。また、仕事や家事で忙しい人でも、その合間をぬって勉強できるメリットもあります。
多くの会計事務所で1~2科目の合格で応募資格を満たしている
税理士になるためには、5科目の合格が必要です。しかし、多くの会計事務所では、1~2科目の合格時点で会計事務所や税理士事務所の応募合格を満たしています。
求人数は年々増えており、働きながら地道に資格取得できる職業として需要が高まっています。また、働きながら合格を目指せる環境を整えている事務所少なくありません。以上のことから、学びながら資格取得ができる職種と言えます。
税理士試験に合格するとさまざまなメリットがある
税理士試験に合格すると、多くのメリットがあります。税理士試験に合格するメリットは、以下の通りです。
年収アップにつながる
企業や個人のモノの売買に関して、知識がある人の助けが必要となる場合があるでしょう。とくに税金に関するアドバイスは、AIが発達しても人の考えが必要となることが多いです。
人工AIではできない企業戦略や相続の相談もできるので、税理士の仕事は将来性のある職業と言えます。また、開業税理士・勤務税理士問わず年収が数千万円を超えることも珍しくない職業です。
働き方を選択できる
働き方改革が進む中で、ライフスタイルで何を一番大切にするか考えて働く時代になりつつあります。そして、家族との時間や収入など、大切にしたいものを考えつつ事務所を開業できるのも税理士の魅力です。
また、多くの個人事務所では後継者不足に悩まされています。そのため、開業ではなく継承する方法も選択肢にできます。ライフスタイルに合わせながら、働き方を選択できるメリットが税理士の仕事の特徴です。
就職や転職をする際に有効になる
金融機関では、顧客対応のために税務のスペシャリストを雇う動きが高まっています。また、多くの企業では税理士の知識と経験を求められています。また、未経験であっても税理士資格に合格することは大きな武器となるでしょう。
AIが発達しても、これを追い風とする税理士の仕事は将来性があります。日商簿記の資格を取得しているなら、税理士資格取得の検討をおすすめします。
まとめ
今回は、日商簿記の知識を税理士試験のアドバンテージにする方法について紹介しました。「日商簿記の資格を取得しているが仕事に活かせていない」という人もいるでしょう。もし、日商簿記の資格を生かしたいと考えているのであれば、税理士資格の取得をおすすめします。科目合格制である点も、税理士資格の取得をおすすめする理由の一つです。本記事が、税理士資格の取得に関して詳しく知りたい人や、日商簿記の資格を生かしたいという人の参考になれば幸いです。