
簿記検定は社会的評価を得られるため、就職や転職に有利です。とくに、2級以上を目指す方は多いでしょう。中でも日商簿記検定1級は最難関とされています。経理や税金のプロに求められるレベルです。将来性があるため取得価値が大きいでしょう。ここでは、日商簿記検定1級の具体的な難易度を解説しています。取得を目指す方は必見です。
日商簿記検定1級の難易度はどのくらい?
日商簿記検定は実務での活用を想定し、難易度が高く設定されています。とくに1級は独学取得が困難です。ここでは、1級の難易度をくわしく解説します。
日商簿記検定1級の概要
試験は年に2回、6月・11月に行われます。受験日が他の級よりも少ないので、注意が必要です。2度目を受験する場合、時間がかかることを想定しましょう。出題範囲は商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算の4科目です。
試験時間は合計180分間あり、2級の倍になります。広く深い、知識力と思考力が必要です。また、問題数が多いので、早く解くことも求められます。暗記だけでは通用せず、理解したうえでの計算は難しいでしょう。
日商簿記検定1級の合格レベル
合格基準は、正解率70%以上とされています。さらに、科目ごとの正解率が40%以上必要です。まんべんなく点が取れるようにしましょう。そして、合格率は10%前後とされています。
少ないときは5%程度になるため、非常に高難易度です。多くの受験者が専門学校や通信講座で学んでおり、独学合格は困難でしょう。税理士や公認会計士に必須とされるレベルのため、本格的な学習環境が必要です。
合格に向けた対策
合格を目指すには、必ず2級までの内容を理解しましょう。2級が不完全であれば、1級には進めません。また、短時間で解くことが求められます。日頃から、問題集で正解率と時間を気にかけましょう。
そして、苦手科目を無くすことも重要です。各科目40%以上を目指し、バランスよく理解しましょう。長期的な計画立てと、日々の勉強方法に工夫が必要です。
2級・3級とはどう違うのか
日商簿記検定には、2級・3級も存在します。1級を受験するまでの段階で、必ず勉強しましょう。ここでは、2級・3級と1級の違いを解説します。
2級・3級のレベル
2級・3級は独学でも取得可能なレベルです。3級は初心者レベルであり、商業簿記の出題がされます。初めて受験する方に向いているでしょう。また、2級は商業簿記と工業簿記が出題範囲です。
3級に比べて、難易度は一気に上がります。そのため、社会的評価をされるのは2級以上です。就職・転職でアピールするためには、2級から挑みましょう。2級取得は、社会人であれば半年以上が必要です。
300時間以上の勉強量が目安となります。平日1~2時間、休日3~4時間を想定しましょう。また、2級の合格率は15~30%前後です。かんたんではありませんが、1級より可能性が高いためチャレンジする価値があります。また、1級を受けるために、理解度の確認としても役立つでしょう。
就職・転職での評価
3級は簿記の基礎とされるので、社会的評価を得られません。履歴書に記入するには、2級以上を取得しましょう。2級であれば、会計・経理の仕事に就きやすくなります。また、1級は大手企業の経理で活躍可能です。
取得内容が実務に活かせるため、企業からも求められています。さらに、1級取得者は2級とくらべ、平均年収が190万円程度高いことがメリットです。あらゆる企業でキャリアアップできるでしょう。難易度が高いからこそ、将来性が期待できる資格です。
1級合格に必要な勉強量・時間の目安
1級合格は、難易度が非常に高いため計画性が重要です。必要な勉強時間や勉強量を把握しましょう。充分な時間と環境がなければ、合格は困難です。ここでは、具体的な時間数などを解説しています。上手に時間を使う努力をしましょう。
勉強時間の目安
簿記2級のレベルがある前提で、400~600時間が必要です。毎日2~3時間程度の勉強で、7~10か月はかかるでしょう。また、社会人であれば平日・休日ともにしっかり勉強が必要です。
平日1時間程度であれば、休日はまとめて4~5時間はあてましょう。そして、年2回の試験日程のため、勉強を始めるタイミングも重要です。6月・11月に間に合う計画を立てましょう。
上手く時間を作るには
独学合格が困難とされる1級は、通信講座や専門学校の利用がおすすめです。市販のテキストに比べ、効率的な学習ができます。出題傾向に沿ったカリキュラムのため、無駄がありません。
予定どおりに進められるので、頼りになるでしょう。忙しい社会人には、とくに向いている環境です。時間を有意義に使い、繰り返し学ぶ余裕を作りましょう。上手な時間の捻出は、合格の後押しになります。
まとめ
簿記1級に合格するには、多くの時間と強い精神力が必要であり、じっくり向きあえなければ合格は困難です。そこで、通信講座や専門学校を利用すると意識は高まります。理解するまで着実に取り組めるので、挫折しにくい環境です。また、学ぶ項目に優先順位を付けており、無駄のない予定が組めます。さらに、費用をかけることでモチベーション維持になるでしょう。難易度は高いものの、キャリアアップに大きく役立つ資格です。将来のために、積極的にチャレンジしてみましょう。