
税理士はおもに税の専門家として確定申告書などの税に関わる書類を作成したり、税金に関する相談への的確なアドバイスや税務代理などの業務を行ったりします。税理士の資格を取得するには専門的な知識やスキルが必要です。この記事では税理士になる方法や資格取得の流れ、どれくらいの年数で目指すことができるのか具体的に解説していきます。
税理士になるには?何年かかる?
一般的に税理士になるためには税理士試験に合格する必要があります。誰でも受験できる資格ではありませんでしたが、2023年度より会計学科目の受験資格要件が撤廃されたことにより学識による受験資格、資格による受験資格、職歴による受験資格のどれかひとつでも条件を満たしていれば受験することができるようになりました。
学識による受験資格の具体的な内容としては大学や短大を卒業または専修学校の専門課程を修了した者、司法資格合格者などです。資格による受験資格は日商簿記検定1級合格者、全経簿記検定上級合格者です。
職歴による受験資格は法人または個人事業主の会計に関する業務や税理士・弁護士・公認会計士の補助事務を2年以上行った経験があるかどうかです。
受験資格を満たしている際にはそれを証明するための書類を提出しなければならない場合があります。ただし、資格に合格した後は租税または会計に関わる実務経験を2年以上積まなければなりません。
そのため、最低でも2年以上の期間が必要であるということになり、試験に合格するための勉強時間なども含めると早くて3〜5年、平均では10年程度といわれています。仕事をしながらや家事の合間に勉強しなければならない場合、毎日コツコツと学習を積み重ねていく必要があります。
試験合格後の2年間の実務経験を含めると最大で12年ほどかかることもあるためほかの資格取得よりも取得までに時間がかかる資格であるといえるでしょう。そのため、独学で勉強する人は少なく、通信講座などを利用して効率よく学習している人が多い資格です。
税理士資格取得の流れ・方法
税理士になるためには税理士試験への合格が必要不可欠であり、最大の難関です。まずは受験資格を満たしているかどうか確認したうえで出願しましょう。基本的に税理士試験は年に1回実施されています。
科目合格制度によって11科目中5科目を選択して受験する必要がありますが、毎年1科目ずつ受験して5年間かけて資格を取得しようとする人も少なくありません。それから、税理士試験を受験するまでに租税に関する事務や会計に関する事務の実務経験を2年以上積んでおく必要があります。
複数の事業所での経歴がある場合は合算しても構いません。基本的にタイミングは決められていないため、実務経験を積んだ後に試験勉強を始めても試験勉強をしながら実務経験を積んでもどちらでも構いません。
税理士試験に合格すればすぐに税理士になれるわけではなく、合格していても税理士名簿に名前を登録するまでは税理士を名乗ることができないため注意しましょう。
高卒の方や主婦でブランクのある方も税理士を目指せる!
結論からいうと、高卒でも主婦の方でも税理士を目指すことは可能です。税理士を目指すのに学歴や偏差値は関係ありません。国税庁の調査では受験者うち高卒者の占める割合は約7.0%という結果が出ており、ほとんどが大卒者ではありますが、高卒者でも受験できることがわかります。
主婦でも受験資格を満たしていれば受験することは可能です。大学や短期大学で必修科目を履修していたり、過去に会計事務所などで2年以上の実務を行った経験があったりすれば受験できますが、受験資格をもっていない場合でも通信大学に通うなどすることで学識の要件を満たすことになるため受験可能になります。
学歴や経歴よりも、しっかり勉強して税理士試験に合格することが何よりも重要です。何年もかけて1科目ずつを受験する人が多く、必要科目の5科目全てに一度で合格できる人はほとんどいないといわれています。
税理士試験合格のために要する時間は数千時間にもおよび、相当な勉強量であるうえに何年もかかることが多いため途中で挫折してしまう人も少なくないのです。
仕事をしながらや家事の合間に学習する時間をしっかり確保しなければなりません。合格率は決して高いとはいえませんが、高卒でも主婦でブランクがあっても税理士試験を受験することはできます。
まとめ
税理士試験は何年もかけてようやく合格できるケースがほとんどで、膨大な時間を試験勉強に費やす必要があります。税理士試験合格は長い道のりではありますが、一度資格を取得できれば一生涯有効です。取得までの流れとしてはまず受験資格を満たすことが重要です。試験勉強を行って税理士試験に合格して実務経験を積み、合格した後に税理士名簿への登録を済ませて税理士資格が取得できます。税理士試験は必要科目の5科目を合格するまでの期限なども決められていないため、コツコツ勉強して自分のペースで合格を目指せる資格です。一方で難易度は非常に高く、独学での合格は難しいともいわれています。効率よく学習を進めたい方は通信講座や予備校の活用がおすすめです。難しい試験ではありますが、しっかり学習して最短で合格を目指しましょう。