
経理や税理士を目指す上で「簿記」の資格は大きな強みとなります。資格がなくても働ける場合もありますが、企業は簿記の知識や経験を重視し、資格取得者を優先する傾向があるのです。本記事では、簿記1級のメリットやキャリアへの影響、ライフプランへの活かし方について詳しく解説します。
簿記1級を取得するとどのように評価されるのか
簿記1級をもっているということは会計に関する高度な専門知識をもっているということであり、実務経験から難しい対応や細かい計算などもこなせるということです。
複雑な会計処理もしっかり理解して対応できることを証明するための資格として重要な役割を果たしています。企業側からすると、資格をもっていない人よりもレベルの高い仕事をこなせる安心の存在として活躍することができます。
どの企業においても会計業務に簿記1級を取得している人材は必要とされやすいですが、とくに大企業や外資系企業の経理部門では重要視されるスキルであり、簿記1級を取得していることで専門性に長けていると判断され、高く評価されやすくなります。
また、難易度が高い簿記1級に挑戦した人材として向上心や忍耐力が評価されることもあります。簿記1級は簡単に合格できる試験ではないため、膨大な時間を勉強に費やす必要があります。その難易度の高さから諦めてしまう人も少なくありません。
そのため、資格取得や自己成長に向かって高い目標を掲げて挑戦し、努力する姿勢もよい評価につながりやすいのです。経理などの会計業務においては、求人の段階で募集要項に簿記1級を求めている企業もあり、即戦力として採用したいと考えられていることが多い資格のひとつです。
難しい資格であり、誰もがもっている資格ではないからこそ、企業からは重宝される存在になりやすいといえるでしょう。
簿記1級をもっていると年収アップの可能性がある?
結論からいうと、簿記1級をもっていることによる収入アップの可能性は充分にありえます。とある転職エージェントサービスの調査において簿記1級を保有している者はほとんどの企業において簿記2級保有者よりも高い年収を得ているというデータが出ており、採用の段階で収入に差が出ることも珍しくないようです。
資格をもっていない人と比べると資格手当などの要因も含まれますが、高度な経理業務を任せられることや知識を活かした処理能力の高さなどが評価されて高い収入を得ることができるケースが多いと考えられます。
また、保有している人がそれほど多くない資格であることから希少価値が高く、求人市場での競争率が高いという面でも高額な年収が期待できます。
企業側も知識やスキルが高く、できる限り即戦力として活躍してくれる人材を採用したいと考えているため、ほかの企業に取られてしまわないよう年収を高めに設定している場合があります。
入社後に資格取得をした場合も企業によっては努力やスキルアップを考慮して収入をアップしてくれるケースもありますが、大企業への就職・転職が最も高い年収を目指すポイントになるでしょう。
簿記の中でも最も難しい資格である日商簿記1級は経理や会計のスペシャリストとして優遇されやすいので、収入アップや将来的なステップアップを目指しやすくなります。
簿記1級取得で見えるライフプラン
簿記1級の資格は経理や会計業務だけでなくさまざまな業務に活かすことができます。転職においては、会計事務所や税理士法人などを選ぶ人が多く、簿記1級の知識やスキルが重宝されます。
会計事務所や税理士法人では、企業や個人の税務申告業務や会計処理などが中心です。専門知識や身についたスキルを活かせる場面が多く、実務経験を積んで税理士を目指すことも可能です。
また、経営に関する知識も充分であることからコンサルティングファームへの転職も可能です。おもに企業の経営課題を解決するためのアドバイスを行うのに簿記1級の知識が役立ちます。
企業の財務状況の分析や会計処理のサポートなどを行い、経営の手助けをします。高度な会計知識が必要になるため、簿記1級の保有は経営全般のコンサルティング業に役立つポテンシャルを秘めているのです。
さらに、自身が独立や企業をする際にも必ず役に立つ資格です。税や会計に関する業務を自分で行うことができるため、自分で起業する際の強みにもなります。
まとめ
経理や税理士を目指す人にとって切っても切り離せないのが簿記の資格取得であるといっても過言ではないでしょう。簿記は2級から難易度がグッと上がるといわれており、1級の保有者はそれほど多くないことからも企業側から重宝される人材になりやすいとされています。就職や転職においても採用されやすく、即戦力としての活躍が期待されます。また、年収アップやキャリアアップにも役立つことが多く、もっていると必ず自身のライフプランによい影響をもたらしてくれることでしょう。簡単に取得できる資格ではありませんが、もっておいて損はない資格です。目先の就職や転職だけでなく人生においてプラスになるため、取得しようか悩んでいる人はぜひ挑戦してみてください。