
簿記1級に合格するためには、膨大な知識と勉強量が必要です。そのため「社会人として働きながらだと取得は無理かも」とあきらめてしまう人もいるでしょう。しかし、簿記1級に合格するための前提知識を把握して諦めずに取り組めば、合格は不可能ではありません。本記事では、簿記1級合格のためのポイントを詳しく見ていきます。
簿記1級に合格するための前提知識
社会人として働きながら、簿記1級に挑戦しようと考える人は少なくありません。しかし、現実には学習が思うように進まず、挫折してしまう人も多いです。そうしたときに支えとなるのは、正しい動機と強いモチベーションです。簿記1級にチャレンジする前に、その難易度と価値についてしっかり理解しておくことが重要です。
簿記1級の難易度
まず簿記1級の難易度について考えてみましょう。簿記1級は文句なしの難関資格です。その理由は、簿記2級レベルの知識が必要で合格率が非常に低い点膨大な学習時間を必要とする点にあります。
簿記1級には制度上の受験資格は存在しませんが、実際には簿記2級レベルの知識がなければ学習を開始するのも難しいのです。簿記3級の知識を得るためには100時間程度の学習が必要と言われていますが、そこからさらに学習を積み重ねて2級レベルに達し、初めて1級の学習スタートラインに立てるわけです。
つまり、簿記1級は実質的に簿記2級の上位資格という位置づけであり、一定の基礎学力が必要とされます。次に合格率を見てみましょう。簿記1級の合格率はおおむね10%前後です。年によっては5%以下になることもあり、
これは国家資格の中でも難関とされる弁理士や税理士(科目合格)と肩を並べる水準です。さらに、合格までに必要とされる学習時間は最低でも500時間以上です。多くの受験者は半年から1年かけて学習を続けます。社会人にとっては、仕事の合間を縫ってこの学習時間を捻出すること自体が大きな挑戦となるでしょう。
簿記1級の取得価値
このように高いハードルが立ちはだかる簿記1級だからこそ、取得する価値も非常に高いと言えます。単に難しいだけで実用性に乏しい資格も世の中には存在しますが、簿記1級は実務面でも大きなメリットをもたらします。
まず、年収アップや資産形成に直結する可能性があります。経理・財務の専門性が高く評価される現代において、簿記1級を取得していれば好条件での転職も現実的です。とくに近年は経理人材の不足もあり、実務経験をともなった簿記1級ホルダー(保持者)は企業から高く評価される傾向にあります。
また、副業や起業を志す人にとっても簿記1級の知識は大いに役立ちます。日常の帳簿処理や確定申告はもちろん、管理会計の知識を活用して経営戦略の策定や資金管理が可能になります。自ら事業を展開する際にも会計知識が経営判断を大きく支えてくれるでしょう。
さらに、簿記1級の取得は自己効力感や達成感にもつながります。ここまで学んできたという自信は、今後のキャリア形成や新たな資格取得(公認会計士・税理士・中小企業診断士など)への挑戦にも好影響を与えることでしょう。
実際、簿記1級で学ぶ内容はこれら上位資格の試験範囲ともかなり重複しており、次のステップへのよい土台となります。簿記2級の合格者が毎年2~3万人に達するのに対し、簿記1級の合格者は年間1,500人程度にとどまります。
この数字は簿記1級の希少性を物語っており、実務の現場でも簿記1級ホルダーは社内に数人いるかどうかという状況が珍しくありません。転職市場でも高い希少価値を持ち、ほかの候補者との差別化要素として強力に機能するでしょう。
合格するにはモチベーション維持が不可欠
もちろん、働きながらの挑戦は決して楽ではありません。社会人にとって最大の壁は忙しさです。仕事、家庭、プライベートの予定に追われる中で、日々の学習を継続することは容易ではありません。
だからこそ、簿記1級の難易度と価値を正しく認識し、強いモチベーションを持ち続けることが不可欠なのです。苦労を乗り越えた先には、経済的メリットだけでなく、専門家としての誇りや自信という大きな報酬が待っています。
働きながら簿記1級を取得したいならスクールに通うのがおすすめ
簿記1級は、非常に難易度の高い資格です。学生や主婦と比較すると、フルタイムで働く社会人は圧倒的に学習時間の確保が難しく、ほとんどの場合不利な状況に置かれます。そこで重要になるのが効率的な学習です。
限られた時間で最大の成果を出すためには、学習の質を高める必要があります。ここで社会人の強みとなるのが経済的余裕です。学生よりも自由に使える資金がある社会人は、その資金を活かしてスクールを活用するのが最も合理的な戦略と言えます。
実際、簿記1級のように膨大な範囲と高度な内容を扱う試験では、独学での合格は非常に困難です。しかし、スクールのカリキュラムやプロの指導を受けることで、学習効率が大幅に向上します。働きながらの合格を目指すなら、自己投資としてスクールを利用するのが賢明な選択肢でしょう。
まとめ
簿記1級は、難易度・学習量ともに非常に高い壁が立ちはだかる資格ですが、その分得られる価値も圧倒的です。年収アップや転職、副業・起業まで、幅広いキャリアチャンスを広げてくれる実用性の高い資格といえます。働きながら合格を目指すには、忙しい毎日の中でいかに効率よく学習できるかがカギです。社会人ならではの強みである経済的余裕を活かし、スクールを活用すれば、限られた時間でも高い学習効果を得られます。正しい戦略と継続的なモチベーションがあれば、社会人でも十分に簿記1級合格を勝ち取ることができるので、簿記1級に挑戦する価値は十分にあります。